エコツーリズムに関する論文を読んでみて

こんな論文が出ています。
「鳥獣の写真撮影・観察に対する規制について」
著者は高橋 満彦氏。
内容は各々で読んでもらうとして、
これを読んで思ったことをつらつらと
書いてみようと思います。

野鳥の撮影にまつわる問題は
もう何年も言われ続けていて、
近年騒がれている一部の撮り鉄同様、
一部バーダーによる悪質な
撮影・観察は後を絶ちません。

もう何年も前のことですが、
とあるバーダー団体の一人が
鳥が見やすくなるから、という
理由で公園の木の枝をのこぎりで
切り落とした現場に遭遇
したことがあります。

どんなに撮影者や観察者が
知識や経験を積んだとしても、
萌え・映え・エモな時代において
もはや自制が効かない状態なん
じゃないかと思っています。
論文中で書かれていたように、
海外の例を参考に法規制を強化

していく段階なのかなと思います。

だからと言って、
観察が絶対悪であるわけではありません。
良識をもって自然と触れ合うことが
大事だということです。
その役割の一端を担っているのが
ガイドたちです。
特にネイチャーガイドは、
対象物に対する情報を伝えるだけでなく、
体験を通した知識の獲得や発見といった
経験を得てもらうために、
参加者一人一人の
興味・関心・知識量・経験値に応じて、
頭と体と感覚をフル活用する仕事です。
その中で、都度自然の中での適切な
行動を参加者に伝えていくには、
自身の研鑽だけでなく、日々新しくなる
情報のアップデートが必要です。
これは並大抵の努力でできる
ことではありません。
こうした人材の育成は非常に大事ですが、
現状これだけで生計を立てるのは厳しい
職業なので、(一部の地域を除く)
頭の痛い問題です。

最初に各自のマナーに任せるにも
限度があると書きましたが、
知識がまだ追いついていないだけで、
気づきがあれば行動を改める人は
まだまだいるものと信じています。
これからは、そんな情報もここで
出せていけたらと思います。