道路脇、畑脇、日当たりの良い斜面、そんな所は早くから雪がなくなり、
さらに太陽の光が地面を暖め、周囲の雪解けは加速していきます。
そんな日当たりが良く雪解けが進んた地面で、カタクリを見つけました。
と言っても、花ではなく、葉っぱとその間に包まれた蕾だけ。
ニセコの場合、例年だと、4月中旬頃に咲き始め、4月下旬頃に見頃を迎えます。
そんな春の陽気とうって変わって、森の中はまだ高い積雪。
ただ、真冬の「しん」とした雰囲気はなく、繁殖に向けて鳥たちの
さえずりが賑やかになってきていますよ。
ニセコから離れ、雪が少ない地域ではフクジュソウが咲き、
春の様相になりつつあります。
ニセコは道内屈指の豪雪地帯、花の季節まであと一カ月弱かかります。
まだまだスノーシューで森歩きが楽しめますよ。
地元の人でも、冬に近くの森を歩く機会というのはそう多くはないでしょう。
道具が必要だし、寒さや天気にめげないモチベーションも必要だし、
どこを歩いたら良いのかという情報も必要です。興味はあるけど今年も歩かなかった、
という声をたまに耳にします。こうした事って、良くありますよね。
そんな地元倶知安町からお越し頂きました。本日でスノーシューは二度目。
いつも見ていたけど気づいてなかった事に気づいたり、日常のそばにある森の様子を知ったり、
それがまた新鮮ですね。地元目線での森歩きとなりました。
本日のお客様は、よく街中散歩をしていらっしゃるそうで、その中で
何だかは分からないけど見たことがあって気になってる、というものを
たくさんお持ちの方でした。
それは、冬芽だったり鳥のことだったり。
ならば、街中散歩がより充実するようにと、正体を明かすばかりではなく、
見る時のポイントやそれがある背景なんかを一つ一つお話しして、
お持ち帰り頂きました。
森の中で見聞きした事が、自分たちが暮らしている街の中の自然と
繋がったり、広がったりする、その瞬間がまた楽しいんですよ。
キツツキによってボロボロと剥がされた樹皮。
この下には、エサとなる昆虫やクモがいます。
キツツキに限らず、ここで暮らす鳥たちの中にはこうしたエサを頼って
枝先や木の幹の隙間をついばんで生きているものがいます。
こうした鳥は一年中見られますが、冬の厳しいエサ事情を避けて
夏の間だけ北海道に生息する鳥も多くいます。
そんな夏鳥たちが徐々にやってくる季節となりました。
先日、胆振方面でカワラヒワの声を耳にしました。
ニセコも間もなくです。
「白さ際立つ」なんて、まるで洗濯石鹸のCMのような表現ですが、
春が近づくにつれ、ニセコは青空の日が増えてきます。
雪雲に覆われている厳冬期は、ダケカンバもシラカンバも
その幹の色が被ってしまっていますが、こんな日はコントラストが
はっきりと、より色彩の美しさを感じます。
日差しの強さも増してきているので、今日なんて歩いたら暑いくらい。
ニセコらしい冬も良いですが、こんな中のスノーシューも気分が良いですよ。
今日は随分とエゾリスの足跡が広がってるなぁ、と思って歩いていたら出会えました。
そっと様子を伺っていると、幹の隙間から何かを取り出す仕草。
秋に蓄えたであろうオニグルミです。
ガリガリガリガリ、この時は、殻を割るのに約3分かかっていました。
食べ終わって地上に捨てられた殻を回収してみると、見事に割れていました。
市販のクルミは、改良されて殻が薄く割りやすくなっていますが、
オニグルミの殻はトンカチでも難儀するくらい厚みがあって硬い。
エゾリスはそれを歯だけで破ってしまうのですから、恐れ入ります。
ただ、上手なエゾリスならクルミのつなぎ目をぐるり一周齧って2つに割り、
効率良く中身を食べます。
そうでない場合はあちこち歯を当てるので、殻はバラバラに割れます。
今日見たエゾリスは後者だったようです。
前足で持ちながら齧る仕草だけを見ると器用そうに見えるんですけどね。