森を目の前にしての事務仕事は無理かもしれない

小屋には薪ストーブを
設置しているのですが、
慣れていないせいもあってか
時々薪加減を間違えて
室内が常夏の仕様に
なってしまうことがあります。
電気で動くものと違って
設定温度を下げるとか
すぐに消火とか
薪ストーブは無理なのです。
先日もちょっとやり過ぎたので、
窓を少し開けながら事務仕事を
していると、
「ケーン!ケーン!コロコロコロコロ・・・」の声!
そうクマゲラです。
聞いた途端、
やっほ~ぃと全てを投げ出し、
出てみると先日オスを見つけた場所の
すぐ近くでメスを見つけました。
警戒心が高く陰に隠れて
あまり見れませんでしたが。
先日のオスとこれからペアに
なる個体でしょうか。
クマゲラが飛び立ったあと、
何の気なしにしばらく待っていると

今度はカラ類の混群がやってきて
やはりしばらく観察に時間を
費やしたのでした。
ここでの事務仕事ははかどりません。
というか、無理かもしれません。

森を眺めながらのデスクワークは誘惑過多

森の中に建てた小屋の中で
一番のこだわりは大きな窓。
森の中にあるのだから
開放的な窓が欲しいという
リクエストにもとづき、
工務店には設計上問題のない
レベルで最大サイズの窓を2箇所
入れてもらいました。
そのうちの一つは机の前です。
本当にずいぶんと大きい窓ですが、
PC作業をしながら
外の様子を眺められるようにするため、
そのようにしてもらいました。

しかし、この窓が曲者。
仕事中にも関わらず、
森の様子が気になって
頻繁に顔を向けてしまいます(笑)
森と繋がる小屋の設計としては
正解に近かったようですが、
お陰で誘惑の多い環境とも言えます。
ここで大人しくデスクワークをするには
強い意志が必要です。

と、言っているそばからほら
エゾリスが来てるじゃないの。
ということで・・・。

クマゲラの食痕

先日見かけた採餌中のクマゲラ。
あまりしつこく見ていると嫌われ
かねないので、人間は一度退散し、
後日つついていた木の様子を見てきました。

一カ所はあまりに高い場所だったので
内部の様子まで見られませんでしたが、
目線の高さにも小さいですが
食痕がありました。
アリの残骸でもあれば
それを食べていたと分かるのですが、
今回は見当たらず。
アリを食べていたのか、
それともカミキリムシの幼虫を食べていたのか?

参考までに、
これは大昔に見た時の画像。
クマゲラが空けた穴の中や
周囲に残っていた
ムネアカオオアリの残骸の内の一つ。
これだけ無傷(?)の状態で
残っていました。

穴の観察を一通り済ませて
反対側に回ると、
点々と打刻した跡がついていました。
ここかな?こっちかな?と
試し打ちをしながら餌の在りかを
探していたのでしょうか?
興味は尽きません。
また来て。

冬の森の主はクマゲラか

野良仕事のため小屋の外に出ると、
アカゲラやオオアカゲラにしては
大きなコツコツと木を穿つ音が
聞こえてきました。
気になって見回すとクマゲラでした。

私たちが所有する森には
色んな生き物が生息していますが、
中でも一際目を引くのが
このクマゲラ。
日本最大のキツツキの仲間です。

昨年の秋から小屋の環境整備で
森に通っているのですが、
その時から「ケーン、ケーン」と
鳴いては「コロコロコロコロ」と
飛び立つ2羽の姿を見ていました。
山の裾野の森を買ったので、
冬になればもっと近くで見られる
機会がくるかもしれないと
思っていたら案の定^^
この日はカラマツの内部で
越冬しているであろうアリを
食べるために木をつついていました。

フィールドには頻繁に足を運ぶ
人生を送ってきたので、
クマゲラの存在自体には驚きませんが、
自分が所有する森にいるとわかると
嬉しさは倍増です。
クマゲラは大径木のある森で
繁殖をするので、繁殖期には
山の奥に移動してこの森では
見られなくなると思います。
それでも、四季を通して数多の
生き物が利用しているのを
間近で感じられるこの森は、
「生物多様性」というテーマ通り。
未来の人に繋いでいきましょう。

方言で言う「がんぴ」はシラカンバのこと

私たちの森には何種類もの
樹木が生育していますが、
主な構成樹種はシラカンバとミズナラ。
よく「シラカバ」と言われている
樹木はこのシラカンバのことを指しています。

樹木の多くは樹皮が縦方向に
溝が入るように割れていきますが、
シラカンバの場合は横方向です。
しかも成長しても溝は入らず、
薄くペリっと細く剥がれるように
なっていきます。

弱ってきていたり
年を重ねてきたりすると

こんな風にべりッと
大きく剥がせる部分が
でてきます。

これを「がんぴ」と言って
昔は着火剤として使っていました。
静岡以西には和紙の材料になる
正真正銘の「ガンピ」という
樹木がありますが、
発音が一緒なだけで
それとは別物なんですよね。
着火剤の方の「がんぴ」は
今でも焚き火や薪ストーブで
使う方はいます。
かくいう私もその一人。
森で採取した「がんぴ」を
使って毎朝火を付けています。
面白いほどよく燃えるので
市販の着火剤はいらないほど。
自前の森からエネルギーを得る生活、
非常に大変ですが楽しいです。